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プロジェクトの概要 | |
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(1) 研究の目的インターネットがビジネスと同様に生活にも使われて始めています.ビジネスは均質で論理的な情報空間を求めますが, 生活は地域の文化的特性を反映した非均質で感性豊かな情報空間を求めます. 例えば,高血圧に苦しむ人たちにとって必要なのは, 世界規模のネットワークではなく,会おうと思えば会える距離に住む人たちの生活情報空間です. デジタルシティは新しいメディアを用いて地域の情報を集積し, 地域コミュニティのネットワークに情報基盤を提供するものです. このプロジェクトの目的は,「デジタルシティを健常者,高齢者,障害者を含め万人が利用・参加できるものにすること」です. ところが,高齢者, 障害者専用のシステムを開発するのはコストがかかり, 結局それは高齢者, 障害者の負担となります. 生活情報空間を万人のものとするためには, 最初から誰もが使いやすいよう設計すること(ユニバーサルデザイン)が必要です. 本プロジェクトでは,「情報発信」「情報受信」「参加」を対象に,デジタルシティのユニバーサルデザインのための基礎技術の開発を目標とします. |
(2) 研究の内容デジタルシティには現在,地理情報システム, 仮想空間, モバイルコンピューティングなどの技術が利用されています.ここでは基礎研究として,「知覚情報基盤」と呼ぶ情報インフラと,そこで活動する「社会的エージェント」と呼ぶソフトウェアの研究を行います. 知覚情報基盤の研究では,全方位視覚ネットワークを開発し,環境の静的構造と人々の動的な行動の意味構造をモデル化し,能動的に情報を蓄積する研究を進めます.このために,大量の時系列データを記録・検索する技術を確立します. 社会的エージェントの研究では,エージェントの動作環境(仮想空間,携帯端末を含む)を開発し,エージェントの発話や行為の社会的効果を解明し,エージェントがどのような社会的役割を持ちうるかを明らかにします. メディア表現の適応的選択技術の研究が,知覚情報基盤による情報蓄積と社会的エージェントによる情報活用をつなぎます.まず,都市の多様なメディア表現と人々の解釈の関係を明らかにします.次に,蓄積された情報を,利用者の知識や感性などに応じて変換し提示する技術を確立します. 基礎研究の成果は,セキュリティ,環境体験学習,危機管理などに適用し,京都を始めとする現実の都市を舞台に実証実験を展開します.例えば環境体験学習では,都市緑地を対象に仮想自然空間を構築し疑似体験と実体験の連携を可能にします.社会的エージェントによる問題意識の喚起や学習支援,体験学習による成果の仮想自然空間へのフィードバックが重要な課題です. |
(3)プロジェクトの組織このプロジェクトは,独立行政法人 科学技術振興機構 戦略的創造研究推進事業(CREST)の研究領域「高度メディア社会の生活情報技術」(領域リーダー:長尾 眞)の研究プロジェクト「デジタルシティのユニバーサルデザイン」(プロジェクトリーダー:石田 亨)として,平成12年度から5年間の予定で行うものです. 科学技術振興機構デジタルシティ研究センター (京都市二条河原町)を中心に,京都大学情報学研究科,大阪大学工学研究科,NTTコミュニケーション科学基礎研究所,京都高度技術研究所が協力して進めています.国内の連携としては,京都大学建築学研究科,デジタルシティ京都・実験フォーラムなどと,海外との連携としては,スタンフォード大学,カリフォルニア大学,パリ第六大学,上海交通大学などと協力していきます.(組織図へ) |
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