第2回デジタルシティ京都会議 国際シンポジウム (2001.10.18)

山田村の挑戦
The Challenge of Yamada-mura

倉田 勇雄
富山県山田村

ネットワーク化の波は過疎の村にも着実に押し寄せている. その例として「電脳村」の名で知られる富山県山田村を紹介する. 同村は 1996年, 希望する全世帯へパソコンを無償配布. 村内のネットワークを構築し, 村の内外との交流手段として役立てた. インターネットの交流から生まれた都会の学生と村民が触れ合うイベントは, 今や年中行事となっている.

山田村では, パソコン普及や利用法習得だけで終わらない. 村の1/4を占める高齢者の経験や知恵袋といった資産をデータベース化することで次の世代への継承を行なう. また, 村の畑に農産物監視システムを設置し, 都会の飲食店へ農産物の成育情報をリアルタイムで配信しながら, ネット上で受発注を行う実験も始めた.

5歳から80歳までが活用できるネットワークや個人才能の発掘が可能なネットワークを作ること. そしてITを使って, 限りなくわかりやすい社会を作ることを目標に, 山田村の挑戦はこれからも続く.

Kurata 倉田 勇雄:大学卒業後, 大手機械設計会社に勤務. その7年後, 倉田機械設計事務所を設立し, 1982年故郷の富山県山田村にUターンする. 少子化現象と過疎化, 農業のシステム化に遅れをとり, 高齢化に悩む人口約1950人余りの山村を, パソコン普及率日本一, インターネット普及率日本一を誇る電脳村へと導いた山田村情報基盤整備の仕掛人.

現在も山田村情報基盤整備アドバイザーとして活動するかたわら, 執筆活動を行う. また, 映像やコンピューターシュミレーションによるデータベースの構築と周辺機器の開発に従事し, 全国の講演活動にも時間をさきながら, 地域思考を実践して地域の活性化に努める.
(http://www.vill.yamada.toyama.jp/~kmplan/)

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